「林野庁・森林多面的機能発揮対策交付金事業」の一環として、チェーンソー安全講習会を開催しました。チェーンソーは便利な道具ですが、油断をすれば大きな事故につながります。せっかくのいい活動も、怪我をしてしまっては台無しです。里山作業に慣れていくのはよいのですが、同時に安全への意識が下がってしまわないよう、当会では会員に向けて毎年一回安全講習会を開催しており、一般にも広く公開し、会員以外の方にもご参加いただいています。
参加者は総勢14名。市内在住の方から、遠くは横浜からご参加くださいました。参加者は男性のみで、平均年齢は60.28歳。はじめてチェーンソーに触れる方もいらっしゃいました。
朝はあいにくの雨で肌寒い天気でしたが、焚き火を囲みながら、まずは事故が起きやすい事例や伐倒のしかたなど、安全についての知識を中心に座学で学びました。そして、各自持参したチェーンソーをメンテナンス。普段なかなか手入れをしない箇所を点検し、ソーチェーンの目立てを行いました。
昼休憩を挟み、メンテナンスしたばかりのチェーンソーで、杉の伐倒を体験しました。
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例年講師としてお越しいただいている千葉県森林組合の木村先生は、チェーンソーの特別教育では得られない実践的なことを、いつも明快に説明してくださいます。おかげで安全への意識が高まり、参加者の知識・技術も向上したと思います。今日の学びを忘れずに、今後もしっかりと安全に事業を進めていきたいと思います。ありがとうございました。
最後に、チェーンソーのメンテナンスや伐倒において、普段忘れがちなポイントをいくつか挙げておきます。
<メンテナンス>
・ガイドバーは片減りを防ぐため、メンテナンス毎に上下を交互に入れ替えて使う。
・ソーチェーンを張る際、ガイドバーを上に持ち上げながら調整した後、ボルトを本締めする。
・ソーチェーンの刃は斜めに付いているので、丸ヤスリで研いでいくうちに、高さが低くなる。すると径も小さくなるため、それにあわせて径の小さい丸ヤスリに変えて研ぐ。
・ソーチェーンの目立ての後、デプスゲージを使い、デプスがゲージよりも高く出ている部分は、平ヤスリで削る。
・エアフィルターはメンテナンス毎にブロワーなどで掃除をする。掃除の際はゴミが入らないよう、チョークを閉める。
・スパークプラグは月1回程度チェックし、ブラシやウエスなどでこすって掃除をする。
・燃料フィルターは月1回程度チェックし、掃除をする。フェルトタイプのものは、黒くなっていたら、早めにフェルト部分を部品交換する。
<伐倒>
・伐倒の際、追い口切りの前に退避場所の確認。
・伐倒木に打たれたり、枝の落下から身を守るために、追い口が開きはじめたら、すぐに退避。(倒れていく木を見届けて、退避しない人が多い。周りで見て退避を促している人でも、実際にやると退避しない人もいる。)
・かかり木になった直後に、近づいて上を見ない。(衝撃でぶらさがった枝が時間差で落ち、顔に当たるケースがある。)
・ツルは年輪幅が狭い側が強く働き、狭い方へ引かれる形で倒れていくので、受け口を見て左右の年輪幅を比較し、年輪幅が広いほうのツルを厚めに(多く)残す。
・伐倒後の枝払いの際、キックバックが起きる方向へは手足や身体を置かない。